黒柴りゅうの散歩道

日本各地の旅の記録(伝建地区と一宮そして100名城)

66 無電柱化と伝建地区

1 無電柱化の国際比較
 国際的に見て日本の無電柱化の割合は低く、ロンドンやパリはもちろん、アジアの主要都市でも、香港やシンガポールは100%、台北で96%、ソウルが50%となっているのに対して、東京23区で8%、大阪市で6%ですから(国土交通省2018)、大きな課題であることが分かります。
 日本で電柱が多いのは、よく言われるのは戦後の復興でコストとスピードを重視してきたからというものです。

2 無電柱化のメリット
 町に電柱が多いことのデメリットは大体以下の3点です。
  ①:災害時(台風・地震)の倒壊で道がふさがれる。
  ②:狭い道路における歩行が妨げられる。
  ③:景観を害する。
 ここに来て国土交通省の新「無電柱化推進計画」(令和3年)で、景観形成・観光振興の項目に「重要伝統的建造物群保存地区の無電柱化着手地区数 56 → 67地区」と言う記載を見つけました。今後の展開に期待したい所です。
電柱の地中化を既に終え景観が美しい伝建地区(高梁市吹屋地区・柳井市古市金屋地区・杵築市北台地区

3 磁器の町有田
 佐賀県有田町は、言わずと知れた我が国を代表する磁器生産の町です。有田焼は国内だけでなく、欧州各国に「イマリ」の名で輸出されて来ました。山に囲まれた町並約2kmが保存地区で,道路に面して商家や窯元の屋敷が建ち並び,和風から洋風まで様々な建物が調和する独特な景観を見ることができます。
 画像を見てもらうと分かるように、なるべく電柱や電線を避けた構図で撮影しようとはしたのですが、それにも限度がありご覧のような風景です。実際目にするとこんなには気になりませんが、やはり写真にはしっかり残ってしまいます。
 先に述べた国土交通省の67地区に、ぜひ入ってほしい歴史と伝統の町有田です。