黒柴りゅうの散歩道

日本各地の旅の記録(伝建地区と一宮そして100名城)

68 情報入手のポイント

1 旅行者に一番必要な情報
「伝建地区巡り」の最大の課題は、現地の核となっている施設に辿り着くこと、そしてポイントとなる建物を見つけること、これに尽きると思います。昭和の時代など比較的早く指定を受けた地区は、多 くが観光化に成功し自然とその様になっていますが、100地域以上に膨れ上がっている現在、全ての地区にそれを求めることは難しい状況です。

2 何より案内マップを
 一番のポイントはマップです。既存の地図ではなくカフェや土産物店の案内図でもなく、歴史的な建物や町並みの雰囲気を、イラストなどでうまく伝えているマップです。塩田津のものはとても参考になります。

塩田津町並み保存会ホームページより

 駐車場に着いて案内所を訪れ、そこで手に入れたい所ですが、実際は駐車場も案内所も結構分かりにくいのが現状です(だからこそマップが必要という矛盾)。ネットで事前に入手できると良いのですが、今度はサイトが分かりません。市のホームページや観光協会のホームページに辿り着けても、マップは見つからないと言うこともよくあります。

3 全国組織の現状
 理想を言えば、文化庁か伝建協のサイトで全国的にこれを一括管理し、そこに行けばすぐに解決するようになっていれば良いのですが・・・・。ところが両者のWebサイト(下の図)を見て貰えれば分かるように、旅行者がほしい情報というより、役所や協会が全体を管理するためのサイトで、「現地の核となっている施設に辿り着く」「ポイントとなる建物を見つける」には十分には応えてくれません。供給者サイドの情報から、消費者サイドの情報に衣替えが必要です。でもどちらの組織も、その様なことを使命にしている団体ではないので、省庁を横断し観光庁文化庁が協力してサイトを立ち上げてほしい所です。(全伝建地区の訪問を完了した暁に、記念に自分で立ち上げますかねえ・・・!?)

文化庁のサイト】 文化庁ホームページより

・全126の伝建地区が、日本列島の北から順に地方別に一覧表示されているので、伝建地区がどこに何ヶ所ぐらいあるか、すぐに捉えられる。
・ただ更に詳しい情報を得ようと地域名をクリックしても、辿り着けるのは「指定の経緯」や「修復の現状」「地域住民の活用の実際」などで、観光情報ではない。

【伝建協のサイト】 全国伝統的建造物群保存地区協議会ホームページより
文化庁と同様、全126の伝建地区が一覧表示されているので、何という伝建地区がどこにあるか、俯瞰的にすぐに捉えられる。
・更に詳しい情報を得ようと地域名をクリックすると、その地区を代表する画像が数枚掲載されていて、町の様子(魅力)はつかみやすい。
・公式ホームページのボタンがあり、一瞬「やったあ!」となるが、リンク先は市役所のホームページなのでがっかりする。
・地図も載っているが、国土地理院のものでは町の様子はつかみにくい。