黒柴りゅうの散歩道

日本各地の旅の記録(伝建地区と一宮そして100名城)

72 長崎市伝建地区②南山手

1 グラバースカイロードと長崎市内のパノラマ
 南山手地区は長崎市のもう一つの伝建地区です。長崎港を見下ろす斜面に幕末から明治の住宅や教会などが残っていて、大浦天主堂(国宝)や旧グラバー住宅(重要文化財)などを中心に、長崎観光のシンボル的存在となっている場所です。東山手からは、ほぼ連続した近接地域なので、車は駐車場に入れたまま徒歩で向かいました。
 東山手地区から遠くに見えていた斜面の巨大建造物「グラバースカイロード」で、一気にグラバー園の入口(第2ゲート)に向かいます。初めて乗るワクワク感でたどり着いたそこは、長崎市内のパノラマが一望できる素晴らしい場所でした。

長崎港フェリーターミナルと長崎県庁   ジャイアント・カンチレバークレーン(世界文化遺産)と稲佐山

2 グラバー園で思ったこと
 グラバー園最上部の入口「第2ゲート」のある旧三菱第2ドックハウスに向かいます。明治初期の典型的な洋風建築であるこの建物は、三菱造船より長崎市に寄贈され移築復元されたもののようで、たくさんの修学旅行生も見学に来ていました。
 観光ガイドさん(先生かな?!)の説明を聞いているのはほんの一部、多くの生徒は高台からの見晴らしに夢中といった感じで、周りに配置された池を囲んで楽しそうにお喋りしていました。「無理もないなあ、若い時は歴史には興味がないからなあ!」と自分の高校時代を思い出していました。
 私の高校は2年生の秋に5泊6日で修学旅行があり、九州に来た時の事を思い出しました。バスガイドさんに連れられ、みんなが向かうので付いて回っていただけという記憶で、目の前の子ども達を批判することは出来ません。シニアになると自分の生きてきた時代も歴史の一部ですから、大なり小なりみんな歴史好きになるのですが、少年少女にとって歴史は余所事なので仕方ないことですね。

3 南山手地区観光の魅力
①旧グラバー住宅
 グラバー商会を設立し、坂本龍馬と交流があったトーマス・ブレーク・グラバーが住んでいた我国最古の木造洋風建築です。1961年国の重要文化財に指定されています。
大浦天主堂
 開国にともなって造成された長崎居留地に、在留外国人のために建設されたゴシック調の教会で、現存するものでは国内最古です。戦前から国宝でしたが、原爆による修復が終わった後、現存する最古の教会建築として1953年再度国宝に指定されました。
③周辺の町並み
 グラバー通りの修学旅行生、とても楽しそうにお土産を買っていました。その後車に戻り、旧香港上海銀行長崎支店や町中の路面電車に旅の気分を感じながら、長崎の町を後にしました。