黒柴りゅうの散歩道

日本各地の旅の記録(重伝建と一宮そして100名城)

87 大都市の伝建地区

1 名古屋市有松地区
 伝統的建造物群保存地区は、昭和に選定されている地域の場合、既に観光地として著名な地区であった場合が多いのですが(角館や妻籠、白川村など)、その後平成に入り、高度成長が終焉して人口減少が進む中、町おこし・町づくりの起爆剤としての期待を担う様になって来ました。
 そのため地方都市(町や村)が増え、次第に大都市とは無縁の存在になっていきます。そんな中、平成28年に指定された名古屋市有松地区は、非常に珍しい事例です。

     有松絞り老舗・井桁屋       今も有松絞りを販売する中濱家

2 東海道を代表する土産物
 絞り染めは、東海道を往来する旅人の土産物としてが考案され、その「有松絞り」とともに町が発展しました。その繁栄ぶりは、広重の浮世絵に描かれたほどです。
 町並の中心「有松・鳴海絞会館」には駐車場が併設されていて、大変訪ねやすい伝建地区でもありました。絞会館では、絞りについて学んだり体験したり出来るだけでなく、即売もされているので製品を一堂に見ることもでき助かりました。

広重『東海道五拾三次 鳴海・〔名物有松絞〕』 (国立国会図書館デジタルコレクション)

  東海道に沿った古い町並と絞会館    有松絞り井桁屋の手ぬぐい(井桁屋HPより)

3 広い間口の建物
 絞会館に車を停め、ゆるやかに曲がった東海道に沿って歩くと、広い間口を持つ歴史的な建物や塀が数多く見られます。他の商家町に比べ建物が大きいのは、さすが東海道沿いの町と言う感じですが、職人の町で建物が工場機能も持っていたからでしょうか。

    蔵と並んで建つ服部家住宅       間口の広い棚橋家住宅