1 滋賀県No.1の観光スポット
滋賀県の年間観光客数は、ずっと「ラ コリーナ近江八幡」(近江八幡市)がトップで、県内唯一の300万越えを誇る観光スポットです。関西で周囲に「ラ コリーナ行ったことある?」と聞くと「ある」という答えが予想以上に多く、若い女性に限るとほとんどではないかという印象です。シニア男性からすると、まず思い浮かぶのは彦根城ですが、こちらは何とかベスト10に入っています。
現存12天守の彦根城と往年のゆるキャラNo.1ひこにゃん、城下町の面影を生かす夢京橋キャッスル口一ド
2 藤森照信の代表建築
ラ コリーナ訪れたきっかけは、職場の研修旅行でした。その時は幹事が女性で、中高年男性には関係ないや!という感じで、みんなやり過ごしていたのですが、着いた瞬間に圧倒されました。まず訪れている人の数の多さ、「みんな何を求めてこんな所(失礼!)に来ているの?」という感じでしたが、建物を見て納得でした。
周りの自然と一体となった個性的な建築(後で藤森照信の設計だと知ります)、まるでトトロの世界に入ったかのような印象でした。女性陣がそろってバウムクーヘンの製造直売所に向かうので、多分これが有名なんだなと思い一緒に並ぶと、若い子達が「奥さんに絶対喜ばれますよ!」と口を揃えて言うので、正解の行動だったのでしょう(笑)
ラコリーナのメインショップ(正面と裏側)とオフィスの遠景。下は芝生の枯れる冬の姿(こちらも素敵)。
3 近江商人の哲学
帰ってから「誰のどんなコンセプトであの魅力的な空間が作られたのか」気になり調べると、仕掛け人は近江八幡市のたねやの社長でした。家業を、社会に必要とされる企業に育てたいという夢を、本業の和菓子にプラスαの付加価値を付け、人々の集う場を作ってふるさとの発展にも寄与する、まさに近江商人の精神「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」が体現された場でした。(山本昌仁著『近江商人の哲学-「たねや」に学ぶ商いの基本』講談社現代新書、2018年 参考)
4 重要伝統的建造物群保存地区
その後広島の友人を案内した際には、ラ コリーナツアーにも参加しました。「背後の八幡山から連なる丘に、木を植え小川を作り、緑深い森作りを進める、人と自然の共生がテーマ!」、SDGsの時代に相応しい観光スポットです。
なおお出かけの際は、近くの伝統的建造物群保存地区八幡地区にもお寄り下さい。近江商人の旧宅など質の高い町家がよく保存されていて、八幡堀周辺の石垣や土蔵群が織りなす景観と併せ素敵な町並になっています。(画像は伝建協HPより)