黒柴りゅうの散歩道

日本各地の旅の記録(重伝建と一宮そして100名城)

108 晩秋の便り

1 さつまいも収穫その後
 今年から始めた私の「横着農業」、夏は植え付けが終わればほぼ手入れがいらないさつまいもで良かったのですが(「49 私の畑作り」「89 私の畑作りその後」「105 芸術の秋 食欲の秋」)、収穫後の畑はどうするかいろいろと悩んでいました。

 かぶや大根を植えて漬物にすれば保存ができ、子ども達や知人に配りやすいなと考えてみたのですが、さつまいもを収穫できた10月中旬は既に植え付けの時期を過ぎていたので断念。そして今月に入って、ホームセンターの野菜苗のコーナーを見ていると、玉ねぎの苗がたくさん並んでいたので「これだ!」と思って買い求めました。調理方法が多く保存も可能なのでぴったりで、世話もそんなに大変ではなさそうです。
 子どもの頃は祖母の畑作りをよく手伝っていましたが、自分で作るとなると何もかもが新鮮で、冬にも作物が育つことがとても不思議でした。そんな事を思いながら、耕耘機で固くなっていた土を耕し、マルチを被せて玉ねぎ苗を植え付けると、何か充実感が湧いてきます。シニアが農業に惹かれる理由が分かります。
 さて来年のGW明け、どんな風になっているでしょうか!

2 晩秋の散歩コース
 私の散歩コースはいつも決まっていて、まず通勤通学の人の流れに乗って最寄りの駅に向かい、そこから小川に沿って大きな河川に出、その堤防をずっと歩いて自宅に戻る約3kmのコースです。堤防は遊歩道になっていて桜や松が植えられ、たくさんの人が歩いています。
 その河原側にたくさんのススキが群生していて、晩秋の趣を際立たせてくれます。毎日通る場所なのに、何度もスマホで撮っています。その都度「一眼レフを持って来れば良かった!」と思うのですが、重いカメラと共にする散歩は嫌なので(結構スタスタ歩く様にしている)仕方ありません。
 このススキの季節が終わると冬。そこで一句!「夕暮れに すすきの大波 秋が行く」

 

107 聖地身延山と赤沢宿

1 甲府の親戚と合流
 山梨県の伝建地区「早川町赤沢」は、息子の嫁のお父さん(甲府在住)を誘っていたので、日蓮宗総本山・身延山久遠寺と合わせて訪問することにしました。
 朝早く八王子を発ち、甲州市塩山の伝建地区「下小田原上条」を足早に見学し、10時過ぎには甲斐国一宮「浅間神社で合流しました。参拝後、お義父さんのふるさと市川三郷町(はんこの生産量日本一)の印章資料館に向かい、その後に早川町赤沢です。

2 身延往還と赤沢宿
 赤沢は日蓮宗身延山久遠寺から七面山へ至る参道に位置し、全国から参詣する講の宿(宿坊)として栄えました。関西で言えば伊勢講の様な感じでしょうか。急な斜面に往時を偲ばせる旅籠屋が建ち並び、かつての繁栄がよく伝わって来ました。

【やまなし観光推進機構HPより】
 赤沢宿は「身延山」と、修験霊山「七面山」を結ぶ身延往還の宿場町として栄えた山あいの静かな集落です。昭和30年代に現在の車道が通るまでは、七面山に通じる唯一の道として、多くの参詣客がここを通りました。最盛期の明治~昭和初期には、1日に千人程の宿泊客がいたと言われています。伝統的建造物群保存地区にも選定されており、江戸情緒漂う美しい街並みを残しています。

3 ゆるキャン△と宿の駅清水屋
 街並みを一巡するとお昼を過ぎていたので、宿の駅清水屋に寄り名物の豆餅をいただく事に。ちょうど『ゆるキャン』✕ 早川町コラボキャンペーン中で、コースターをプレゼントされました。孫へのお土産になるかなあと思いつつ、勧められた二階の部屋に上がると、そこは『ゆるキャン△』に登場したあの和室でした。こたつに入りお義父さんと一緒にゆっくり珈琲と豆餅を味わいながら身延山と自然を満喫しつつ、久遠寺の石段へ挑む英気を養いました。

4 日蓮宗総本山身延山久遠寺

 日本仏教三大霊山、西の比叡山高野山と並び東を代表する身延山は、身延町がありJR身延線が走り身延山高校・大学まで有する一大宗教都市の様相です。本堂に向かうにはケーブルカーもありましたが、やはり三門をくぐり石段を登ってこその巡礼、迷わず挑戦しました。三門は東大寺の南大門級で山中だけに圧倒されます。石段の段数は僅か287段ですが高低差が104m、つまり一つの段が普通の石段の倍近く、金比羅さんよりキツそう!と思いながらはしごの様な石段を登ります。
 本堂に着いた時は、感動!というよりはもう苦しくならないという安堵感で、ほっこりでした。ロープウェイで奥の院に上り富士山を見る予定は残念ながら雨天のため中止にしましたが、スケール大きい堂塔に囲まれ濃厚な時間が過ごせました。

 身延山から見られなかった富士山ですが、翌日精進湖畔でカメラに収めました。



 

106 冬の足音

1 全国旅行支援を利用して
 伝建地区・一宮訪問の旅を再開、今回の目的地は房総半島と山梨県中心に二泊三日の計画です。日程に余裕を持たせるため前日午後に出発し、夏の暑い間は避けていた車中泊のため足柄SAに向かいました。https://goo.gl/maps/zfsNQ7Kfw53xMoGQ7

 翌日からの二泊はホテル利用でしたが、全国旅行支援を利用したので(40%の割引と3000円のクーポン)とてもリーズナブルな旅でした。
 ・アパホテル八王子駅北・・・クーポン利用 -2,675円 支払額 3,725円
 ・甲府ワシントンホテル・・・クーポン利用 -2,440円 支払額 3,660円
 ・地域クーポン2日分 3,000円×2=6,000円  実質負担額 1,385円

2 車中泊お奨めの場所
 SAで車を停める時、手前が空いていればそこに停める事が多いと思います。これが道の駅なら、全体をぐるっと見てきてから場所を決める事が出来るのですが、SAのパーキングは逆走できないので手前ばかりが混んでしまい、意外と奥が空いていてがく然とした事が何度もありました。https://sapa.c-nexco.co.jp/sapa?sapainfoid=3

 事前に足柄SAの航空写真やマップを見て、奥に広大なエリアがある事が確認できていたので、迷わず出口方向に向かいました。するとやはり広々とした駐車スペースが残っていて(画像右)、トラックの音に邪魔される事なく、ゆっくり車中泊できました。

3 朝のSAは冬の気配
 翌朝目覚めて車外に出ると、かなり寒くてびっくり。念のため冬用シュラフを持参したのが正解でした。厚い目の上着も持ってきていたのでそれを羽織って洗面に・・・・。すると半袖姿で小走りの人がちらほら、最近は夏の終わりが冬の始まりみたいな気候になるので、よく分かります。
 車の中のペットボトルを見ると凹んでいました。「ええっ」と思って計器盤の気温を確認すると10℃、確実に冬が近付いていました。

4 富士山の衣替え
 丁度一ヶ月前に関東地方を訪ねた際(97 富士山が見えた!)には、初めて見た冠雪のない富士山でしたが、「この寒さなら富士山も上の方は白いかも・・・」と思いながら本栖湖に立ち寄ると、頂上付近だけでなく中腹まで雪化粧に変わっていました。僅か一ヶ月、季節の進行は早いですね(笑)

 

 

105 芸術の秋 食欲の秋

1 明智光秀の居城にて
 亀岡市で開催中の「城跡芸術展」を見て来ました。「城」と「芸術」のコラボ、なかなか珍しくて面白い企画です。2018年から行われている「かめおか霧の芸術祭」のコア・イベントとも言うべき取組で、地元ゆかりの27名のアーチスト(絵画・彫刻etc.)の作品が、丹波亀山城跡の本丸一帯に展示されていました。

2 フランス帰りのデザイナー
 パンフレットを手に取ると、見所がたくさんある事が分かりますが、私のお目当ては仲良くしているYUKO KIMOTO(https://www.yulto.com/)さんの作品です。本人曰く「会期の進行に合わせ変化していくのを見てもらいたいので、まだ未完成です!」と聞いていたので、どんな表現になっているのかを楽しみに言ったら、何と絵画ではなく今年は立体でした。テントの中の絵は刺繍がされている様で、この辺りは元シャネルのデザイナーならではといった感じでしょうか。

3 植物園と彫刻のコラボ
 大本花明山植物園は、亀山城の外堀「南郷池」に突き出した場所で、城跡の土塁も上手く展示に利用されていて、とても新鮮な感じです。園内はビオトープのような自然な雰囲気ですので、どこか瀬戸内国際芸術祭(トリエンナーレ)を彷彿とさせる感じで、とてもリラックスした時間を過ごすことができました。
 ただそんな中に突如現れる岩野克人さんの「MENTAL CHAIR Ⅲ」「Huge Foot」 という作品には驚きました。画像でも十分伝わると思いますが、実物は圧巻でした。ぜひ会場でご覧ください(10/25まで)。

4 そして実りの秋
 そして、「49 私の畑作り」「89 私の畑作りその後」で記事にしていた横着農業のさつまいも作り、無事収穫が終わりました。孫達に声をかけると、息子の所も娘の所も親も一緒に来たので、にぎやかないも掘りになりました。3畝の栽培だったので収穫量が多く、知人や近所に随分配りましたが、まだまだ食べ切れません。家内に頼むのも悪いので、最近は自分でいろいろ作っています。昨日は初めて大学芋に挑戦しました(笑)

 

 

104 篠山河原町の無電柱化

 随分以前に訪れた丹波篠山市の伝建地区、篠山城周辺の武家屋敷河原町の商家群ですが、特に後者の方は古いものの雑然とした印象があり、再訪したいとは思いませんでした。ところがネットの情報で無電柱化が進んだことを知り、一昨日丹波市へ出かけたついでに6年ぶりに立ち寄ってみることにしました。
https://www.city.tambasasayama.lg.jp/news/2021/21_04/16216.html
 激変していました。電柱がなくなると景観の中から「印象の良くない縦線」(電信柱)が消えるだけでなく、同じく「印象の悪い横線」(電線)が消えますから、街角の空気が澄んだ様な感じがします。丹波古陶館の方にその事を伝えると、係の女性は「そうなんですよ。空が広くなった気がします!」と笑顔で仰有っていて、感動を共有できました。

(上)平成28年(下)令和4年  無電柱化で別の町の様になった丹波篠山市の「河原町妻入商家群」  

この日は絶好の秋晴れ、澄み渡った青い空だけに一層空が広く感じられました。まさに「ザ伝建地区」

 これで篠山城の大書院や御徒町通りの整備も合わせて、町全体が甦ったというかヴァージョンアップした感じで、何も私のためにしてもらった訳ではないのですが「ありがとう篠山!」という気持ちになりました。

城下町武家屋敷安間家史料館と御徒士武家屋敷群、茅葺きのため他所とはまた違った雰囲気の城下町

篠山は戦国期には波多野氏が活躍した地域、その居城八上城と麓の八上小学校。河原町から1km地点で撮影

 

 

103 東日本随一 佐原の街並み

1 東の美観地区
 東日本の伝建地区では、以前から最も訪れたいと思っていた町が佐原でした。画像で見ていると景観はちょうど倉敷の美観地区のようで、倉敷の大原美術館に対して佐原は伊能忠敬記念館があり、地区を流れる川には「くらしき川舟流し」と同様「小江戸さわら舟めぐり」があり、どちらも旅情が高まる素敵な地域です。
 グーグルのマップで見つけておいた町並み観光駐車場に入りました。料金は一日500円、伊能忠敬記念館に隣接していて有名観光地でもあるだけに、仕方ないかなと言う料金ですが、理想は景観保存協力金のような名称で300円ぐらいだと、ありがたいなと言う感じです。実際は無料の地区が圧倒的に多いので、多少の割高感を感じてしまいました。たかが駐車料金ですが、そこに町づくりのコンセプトが集約されているので大切にしたいポイントです。

2 絵になる光景
 駐車場から伊能忠敬記念館の脇を抜けると、橋を挟んだ向かいに伊能忠敬旧宅が見えて来ました。佐原の町並の中でも、一番行きたいと思っていた辺りにいきなり出て驚きでした。乗船場も直ぐそこです。多くの伝建地区の撮影では、歴史的な建造物に対象を絞ってカメラを向け、画角とズームレベルを決めシャッターを押す所ですが、ここ佐原地区はどうカメラを向けても「きちんと絵になる」(表現はやや変ですが・・・・)地区で、本当に素晴らしい街並み、まさしく「ザ伝建地区」と言った感じの場所です。
 しかも倉敷の美観地区よりも少し長いくらいのエリアなので、質量共に立派な伝統的建造物群保存地区ということになります。もちろん倉敷の方が15年近く早い時期に指定されていますので、入っているショップ等も含めより洗練された感じではありますが、佐原も後15年経てばもっと変わるだろうという期待が大きい地域です。東日本は伝建地区の絶対数が少ないだけに、頑張ってほしい所です。

3 伊能忠敬記念館
 街を一巡し帰りに伊能忠敬記念館に入りました。伊能図には大図・中図・小図がありますが、私の目当ては大図で関西地域を見て、私の住む町に忠敬が来ていることを確認することでした。そしてありました。我が家の近所に旧街道が城下町らしくほぼ90度に折れ曲がる場所があります。その場所が忠敬の測量図にありました。
 文化11年(1814年)伊能忠敬は我が町にも来ていたのです。感動でした!

       記念館発行の関連資料と第7次伊能測量隊宿泊地(伊能忠敬e資料館より)

 

102 日本三大神宮(延喜式)

1 ホテルチェーンの活用
 全国へのツアーは、滞在コストを抑えるため車中泊中心の予定でしたが、夏場に入り車では暑くて眠りが十分取れないことから、ホテル泊に変更して来ました。もちろん全国を回るので予算の節約第一ですが、安ければ良いというものでもありません(実際酷い施設も!)。そんな中、だんだんルートインが価格と内容のバランスが良いなと感じる様になりました。
 何と言っても駐車場が広く車をホテルに横付け出来ます。建物も部屋もそこそこ綺麗な上に大浴場があって疲れが取りやすいのも長旅には魅力です。またチェーンで展開しているので(約300店舗)、どの都市でも同じ環境で宿泊できるので、旅を楽にしてくれることが分かりました。

ルートイン神栖から望む鹿島臨海工業地帯。昭和の国家プロジェクト巨大コンビナート、2万2千人が働く。

2 常陸国下総国の一宮
 朝のスタートが一宮だと縁起が良い感じで、関東最終日は常陸国一宮の鹿島神宮と、下総国一宮香取神宮への参拝で始めました。
 鹿島神宮香取神宮は一宮の中でずっと気になっていた場所です。二つの一宮が霞ヶ浦を挟んでひじょうに近い場所にあって、しかも二社そろって「神宮」で全国的にも名を馳せているからです。この二社に伊勢神宮を合わせて、延喜式神名帳には「日本三大神宮」と記されています。
 父の話も気になっていました。昭和20年9月20日に香取の陸軍戦車学校に入隊が決まっていて、従軍の準備中に終戦になったと言う事を、生前よく口にしていました。少し時間がずれれば父が戦死し、私は生まれてなかった事もあり得たので驚きです(香取神宮のご加護かも知れません!)。
 そんな事を思いながら、二つの神宮にお参りしました。秋分の日と言うこともあり、大勢の参拝者でした。御祭神はどちらも戦の神様なので、部活の高校生達がチームでお参りしているのに出会いました。親子での参拝もよく見かけたので、同様の願いが人々にあるのかも知れません。関西で言うと石清水八幡宮の様な感じでしょうか・・・・?

常陸国一宮 鹿島神宮

鹿島神宮の大鳥居と、日本三大楼門(筥崎宮阿蘇神社)に数えられる堂々とした趣の楼門(国重要文化財

「令和の大改修」、十二年に一度の大祭に向け、幣殿・拝殿・奥宮・楼門(国指定文化財)の修繕工事中

下総国一宮 香取神宮

駐車場からは鳥居・総門をくぐり楼門を目指した後、拝殿本殿へ。何れも国の重要文化財で色彩も目映い。

見事な楼門(国重要文化財)。楼上の額は帝国海軍の巡洋艦「香取」ゆかりの「東郷平八郎」の筆によるもの。

色彩の美しい拝殿と本殿。多くの家族連れが訪れ、引っ切りなしに参拝者の方と出会う活気のある境内でした。



 

101 伝建地区訪問のコツ

1 伝建地区見学の悩み
 伝建地区の見学で難しいのは、①エリア指定なのでどこを訪ねれば良いか分かりにくい・②情報発信地となっている「まちなみ交流館」的な場所が見つかりにくい・③公式の駐車場が見つけにくいなどです。状況がよく分かっている地元からの発信は、地区のことが(もっと言えばその場所が属する市町村や都道府県のことが)全く分からないビジターには、意外に理解しにくいものです。
 今回の関東訪問で、群馬県中之条町六合赤岩地区は、それらの対応が万全でした。確かに山村集落の場合は規模が小さいので、それらが容易いと言う側面はありますが、文化庁も建物の修復や町なみの保全と共に、ビジターセンターや駐車場の整備と電柱の地中化に、もっと予算を割り当ててほしいなと思います。

   対岸の展望駐車場に設けられた地区のマップ    駐車場と売店も兼ねる赤岩重伝建案内所

2 令和4年版『歴史の町並』
 六合赤岩で全国伝統的建造物群保存地区協議会が発行する、令和4年版『歴史の町並』が入手できました。僅か200円で販売されていましたので、「これって売っていたんだ!」と喜びながら先輩も一緒に買い求めました。昨年青っぽい表紙から一変、紅葉がきれいな秋の装いで、表の画像が角館で裏が御手洗、どちらも見るなり「ここはあの町だ!」と分かって幸せな気分になりました。旅行者の願いとしては、この冊子にある各画像の脇にQRコードを添付して、「案内所・駐車場」と「まちなみガイドマップ」が分かる様になっていれば言うことがないんですが・・・・!

3 建物が離れている町の難しさ
 桐生新町地区は、近代以降の蔵やノコギリ屋根工場など、多様な伝統的建造物が多く残っていて、製織町としての歴史を良く残しています。町は日本遺産「かかあ天下ーぐんまの絹物語ー」にも認定されていて、伝建地区もその構成文化財です。
 平成後半に指定された伝建地区は、昭和の伝建地区の様に十分観光化されている訳ではないので、「るるぶ」や「マップル」と言った旅行ガイドには記載がないか、あっても小さな囲みであることがほとんどです。ここ桐生も次に訪れた真壁も、どこを見れば良いのか判然としません。柳井や筑後吉井の様に、建物が列を成して町並を形成している所は良いのですが、町の中にポツンポツンと離れて残っている場合は尚更です。
 対策ですが、取り敢えず全建協のサイトに各地区の画像が4・5枚アップされていますので、そこが訪問者に見せたい建物だと考えてまずそこを訪れます。町の人に出会えれば「お薦めの場所はありますか?」など聞けるので、後は見通しが立ちます。

     訪問者用駐車場の隣にある「矢野本店本舗および店蔵」と「有鄰館(旧矢野蔵群)」

    「酒屋小路」の通りの様子と、特徴あるノコギリ屋根の「旧曽我織物新工場」

4 見学に悩んだ町真壁
 事前の下調べで最も苦労した町でした。まず登録文化財の建物が48番まであってマップに記載されているのですが、多くて的が絞りきれません。またそれらの建物が飛び飛びで、ガイドマップを見てグーグルストリートで場所を確認しようとするのですが、なかなか所在を確定できず苦労しました(マップの上が北でなく混乱)。
 他方、「真壁伝承館」はよく整備されていて駐車場も整い、歴史資料館も兼ねる気持ちの良い案内所でした。ただメインストリートから入っていて、その割に分かりやすい案内表示がなく、アクセスで結構悩みました。それらが重なって、この町ほど目的の建物に辿り着けた時喜んだことは初めてでした。

 (上)町の歴史資料館を兼ねる「真壁伝承館」 (下)旧真壁郵便局・木村家住宅・潮田家住宅・三輪家住宅

 

 

100 北関東の伝建地区

 二人での関東ツアー、一日目の最終訪問先を群馬県中之条町の六合赤岩にしていました。もう長野県が近い場所ですが、私のこれまでの感覚では、十分回れるだろうと予定していたのですが、やはり東京は交通事情が違っていました。
https://goo.gl/maps/LVSZXeCRxQScjE3g6

1 首都圏の道路事情
 朝早く東京を出るので、お昼頃には貫前神社に参拝できるかなと考えていたのですが、これはとんでもなく見通しが甘かったことが判明。先輩からも土曜日の高速はすごく混むよ!と言われていた通り、川越の町でようやくお昼という状況でした。
 この後も在来道を抜けたり、町中の道を迂回したりして高速の渋滞を回避し、ようやく順調に走り始めました。週末が故、それも三連休の初日、各地へ向かう車が多いのは当たり前と言えば当たり前でしたが、私の想定を超えていました。そんな訳で富岡市貫前神社に着いたのは、夕方に近い時間帯という状況でした。

2 上野国一宮貫前(ぬきさき)神社
 ここは全国的に珍しい構造の神社で、参道を下った低い境内に社殿があり、不思議な光景です。徳川家光や綱吉による再建や修理を経て今日に至る上野(こうずけ)国の一宮で、本殿・拝殿・楼門のすべてが国の重要文化財なので、なかなか凄い神社でした。
 丁度連休でイベントが計画されていて、本殿前では音楽グループが夕方からのコンサートに備えて準備中で、一宮とは言うものの地域に開かれた親しみやすい雰囲気でした。楼門前の参道でもマツダ車のオフ会が開催されていて、愛車がCX-5の私はワクワクしながら傍を通りしました。
 結局、夕暮れが迫るころ箕輪城に辿り着いたので、登城後は予約していた渋川のルートインに向かい、中之条町の六合赤岩は翌日に回しました。

3 伝建地区「六合赤岩」
 翌日は台風の影響か小雨です。途中の山中から、道路が良く整備され道の駅や温泉施設など立派な建物が増え、二人で「何だろうね!」と言いながら走っていると八ッ場ダムでした。やはり総事業費がダム史上最高額で5千億円を越える計画だっただけあって、凄い整備状況でした。(画像出典:ウィキメディア・コモンズ)

 しばらく走ると中之条町六合赤岩です。川の対岸から集落の全景が見える「展望駐車場」があったので写真を撮り、その後国道から橋を渡って村に入ると「赤岩ふれあいの家」の水車が出迎えてくれました。「展望駐車場」と言い「ふれあいの家」と言い、とにかくビジターフレンドリーな町です。

 伝建地区の山村集落はそんなに多くありませんが、ここは養蚕家屋の伝統を受け継ぐ建物がよく残り、特に正面の端を外壁より前に出した「デバリ(出梁)」がよく見られました。村を一巡して「ふれあいの家」でこの地の話を聞き、地域を守る人々の苦労もよく分かり、遠路訪れた甲斐のある伝建地区でしたが、惜しむらくはあいにくの雨だったこと。晴れていれば美しい日本の原風景を、更に味わえたことだったでしょう!

 上段左が湯本家住宅。木曾義仲の末裔で、逃亡の際に隠れ住んだといわれる「長英の間」を残している。

 

 

99 北関東の日本100名城

1 広大な城域の鉢形城
 東京在住の先輩との二人旅、初日に訪れたのが埼玉県寄居町に残る鉢形城です。鉢形城は、元々は関東管領上杉氏の家臣が築いた城で、その後勢力を伸ばす北条氏の三男氏邦がこの地の豪族に養子に入り、関東有数の規模を誇る城になったようです。秀吉の小田原攻めの際は、前田利家上杉景勝らの北国軍に包囲され、一ヶ月余りの籠城後に開城、家康配下の代官が治めました。
 関西に住む我々には、この城は全く馴染みがありませんが、戦前(昭和7年)に国の史跡に指定されているので立派な城です。秩父山地関東平野に突き出す先端の荒川沿いに位置し、上州や信州・甲州への要衝であったのでしょう。丘の上にいくつもの廓からなる関東を代表する城郭だけあって、その広大な光景に圧倒されました。

2 関東屈指の箕輪城
 次に訪れた箕輪城は、もう少しコンパクトな城かと予想して現地に着きましたが、榛名山の麓に広大な城域を有する関東屈指の規模で圧倒されました。この地の豪族長野氏の築城で、上杉氏・武田氏・北条氏の勢力争いの中よく奮戦し、中でも信玄の攻撃を何度も防いだことで有名な城郭です。戦国時代が終わり、家康が12万石で井伊直政をこの地に封じ、後に城が高崎に移されて歴史的な役割を終えました。
 鉢形城と同様、駐車場や本丸へのアクセス路、城内の表示などよく整備されていて、さすがは日本100名城です。中でも大堀切の規模に驚き、武田勢が跳ね返された理由が分かる様な気がしました。

 

 

98 武蔵一宮と蔵の町川越

1 奈良の先輩を載せ氷川神社
 関東地方の旅は二人旅でした。本ブログの最初の方「02 奈良大宇陀 又兵衛桜」で登場している大学時代の先輩で、関西出身同士のためか意気投合することが多く、サークル内で一番親しくしていました。就職と同時に上京され、誰もが知っている食品会社の元重役さんです。現役時代の経験を生かして、退職後は故郷でカフェを経営されていて、テレビの取材も受けておられる人気店ですので、また別の機会に紹介します。
 現在も東京在住ですので、早朝ホテルを後にしてCX-5でマンションへ迎えに行きました。旅の無事を祈るため、そして六十半ばで共に旅行できる事に感謝するため、武蔵一宮氷川神社を目指します。コロナ明けの週末三連休、境内は人で溢れていました。

2 埼玉県を代表する観光都市川越へ
 川越は、室町時代太田道灌親子が基礎を築き、江戸時代に城下町として整えられ、水運を利用して商業都市として栄えた町です。
 旅行者に人気の高い蔵造りの町並通り、その中でも「時の鐘」の近くで一際目を惹くのが「陶舗やまわ(明治26年の建築)」、現存する国内最大級の入母屋形式土蔵造りです。平成21年のNHK連続テレビ小説「つばさ」では、ヒロインつばさ(多部未華子)の生家「甘玉堂」として使われました。
 蔵の並ぶ通りは無電柱化された素晴らしい景観ですが、車が溢れてゆっくり歩くことが叶わず、せっかくの風情が残念な感じでした。仲町観光案内所の方に聞くと、この地の幹線道路でもあるため、歩行者天国などは難しいそうです。他にも街の特徴など詳しくお話しいただき、とても親しみやすいみなさんで良い時間が過ごせました。やはり案内所は伝建地区の「顔」でした。




97 富士山が見えた!

1 雪のない富士山
 引き続き旅先(東京)からの投稿です。
 昨日は天気が良くなかったこと、そして台風も近付いて来ること、それらが重なって「今回は富士山は無理!」と思い込んでいたので、頭からすっかり飛んでいました。ところが沼津の町を出るとあまりにも天気が良いので、「ひょっとして富士山見えていたりして」と遠くを見渡すと、何と見事にその雄姿が見えていました。そのスケール感の山が関西にはないので、いつもの山を探す目線では捉え切れなかったのですが、何度見ても神々しい姿ですね。思わず道端に車を止めて撮影、冠雪していない富士山は新鮮でした。

2 三島スカイウォーク
 障子掘で有名な山中城に向かっていると、「吊り橋日本一」の看板が目に入ってきました。「そう言えば以前テレビが取り上げてたなあ」と思い出し、昨日三島大社に滑り込めた分時間に余裕があったので寄り道をすることに・・・・。平日にもかかわらず凄い人出で期待感が高まります。
 圧巻の光景でした。富士山をバックに白い吊り橋が雄大です。遠く駿河湾まで望め、気持ちの良い朝の散歩になりました。

3 日本100名城三つ
 山中城は、城巡りを続けている友人夫妻に「障子掘が素晴らしい!」と聞いていたので楽しみに訪れましたが、予想以上に魅力的な山城でした。良く整備されているので、庭園の中を歩いているようです。次に訪れた小田原城八王子城と合わせ、北条方の城郭が豊臣勢の大勢力に立ち向かった歴史を思う時、戦国時代終末の悲哀を感じました。

 八王子城は、素通りしようかと悩んでいた城でした。そもそも関西人にとって関東の戦国時代はよく知らないので、単に勉強不足が故のことなのですが・・・・。ところが驚きでした。谷間に発掘されたり復元されたりした城跡は、スケール感はやや劣りますが越前一乗谷を彷彿とさせる見事な遺構でした。途中から学芸員らしき方と親しくなり、いろいろ説明を聞きながら、そしてたっぷり質問させてもらいながらの、贅沢の城郭訪問でした。

 

 

96 涼しい東海地方

1 焼津市花沢の山村集落
 引き続き旅先から投稿です。朝は肌寒いほどの気温でしたから、関西に比べて過ごしやすいなと思っていたら、夜ホテルで天気予報を見ていると、全国的に同様だったらしく季節の進行を感じました。東海地方の伝建地区・一宮を、いつものように足早に一気にめぐってきました。と言っても伝建地区は一か所、焼津の花沢地区です。
 ここは地図で見ると東名高速日本坂PAのすぐ近くだけあって、旧日本坂峠の街道沿いに栄えた集落でした(立派な家が多かった!)。傾斜地に見事な石垣が築かれ、屋敷が階段状に続く家並みが印象的でした。高速から近く駐車場もビジターセンターも分かりやすく、大変訪れやすい山村集落です。ただ訪問者はハイカーがほとんどで、他の伝建築と異なる雰囲気もまた良い感じでした。

2 東海地方の一宮
 一気に五社にお参りしました。三河砥鹿神社、遠江小国神社・事任八幡宮駿河富士山本宮浅間神社、伊豆美島大社です。どこも立派なお社でしたが、特に小国神社が印象に残ります。残念ながら改修中で覆われていたので、修復が終わった頃に再訪したいと思わせる見事な佇まいでした。
 美島大社では大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で源頼朝大泉洋)と北条政子小池栄子)が一緒に訪れたシーンを回想しながら、重厚な本殿に参拝です。タイトなスケジュールだったので、電話で御朱印の戴けるタイムリミットを午後4時半と確認していたので、駐車場に着くと一目散に社務所を目指し、何とか5分前に滑り込めました(笑)

3 愛知県のコメダ珈琲
 朝、豊川市コメダ珈琲でしたが少し書きたいことが・・・・。愛知県は本場なのでどんな感じかなと興味津々で入店したのですが、お客さんが少なく驚きました。関西ではコメダ珈琲はどこも満員で、隣を気にしながらのお茶ですが、この日は久しぶりにゆったりとモーニングを楽しめました。
 疲れているのでホテルにチェックイン後町に出たくないので、イトーヨーカドーで夕食(と翌日の朝食)の買い物をしました。ここでも関西で見かけない惣菜はないかなと探していたところ、何と「松花堂弁当」を見つけました。プチ高級感に浸れそうで思わず手が出ましたが、普通のお弁当でした!

 

95 伝建地区の旅再開

  スマホからの投稿です❗️暑い夏🥵が終わり、いよいよ伝建地区全制覇を目指して、再び旅立ちました。今朝は東名高速道路のSAで目醒めています。ホテル代と高速料金(深夜割引)合わせると随分節約になるので、多少の寝苦しさは我慢、秋になり何とかエアコン無しで眠れました(ただし携帯扇風機ON!)。

  既に伝建地区126ヶ所中104ヶ所が訪問済で、今回は残る大口の関東地方を全て周ります。合わせて東海関東の一宮御朱印を頂き、日本100名城も🏯可能な限り……約一週間の旅、頑張ります🚙

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94 ラコリーナと伝建地区

1 滋賀県No.1の観光スポット
 滋賀県の年間観光客数は、ずっと「ラ コリーナ近江八幡」(近江八幡市)がトップで、県内唯一の300万越えを誇る観光スポットです。関西で周囲に「ラ コリーナ行ったことある?」と聞くと「ある」という答えが予想以上に多く、若い女性に限るとほとんどではないかという印象です。シニア男性からすると、まず思い浮かぶのは彦根城ですが、こちらは何とかベスト10に入っています。

現存12天守彦根城と往年のゆるキャラNo.1ひこにゃん、城下町の面影を生かす夢京橋キャッスル口一ド

2 藤森照信の代表建築
 ラ コリーナ訪れたきっかけは、職場の研修旅行でした。その時は幹事が女性で、中高年男性には関係ないや!という感じで、みんなやり過ごしていたのですが、着いた瞬間に圧倒されました。まず訪れている人の数の多さ、「みんな何を求めてこんな所(失礼!)に来ているの?」という感じでしたが、建物を見て納得でした。
 周りの自然と一体となった個性的な建築(後で藤森照信の設計だと知ります)、まるでトトロの世界に入ったかのような印象でした。女性陣がそろってバウムクーヘンの製造直売所に向かうので、多分これが有名なんだなと思い一緒に並ぶと、若い子達が「奥さんに絶対喜ばれますよ!」と口を揃えて言うので、正解の行動だったのでしょう(笑)

コリーナのメインショップ(正面と裏側)とオフィスの遠景。下は芝生の枯れる冬の姿(こちらも素敵)。

3 近江商人の哲学
 帰ってから「誰のどんなコンセプトであの魅力的な空間が作られたのか」気になり調べると、仕掛け人は近江八幡市たねやの社長でした。家業を、社会に必要とされる企業に育てたいという夢を、本業の和菓子にプラスαの付加価値を付け、人々の集う場を作ってふるさとの発展にも寄与する、まさに近江商人の精神「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」が体現された場でした。山本昌仁著『近江商人の哲学-「たねや」に学ぶ商いの基本』講談社現代新書、2018年 参考)

4 重要伝統的建造物群保存地区
 その後広島の友人を案内した際には、ラ コリーナツアーにも参加しました。「背後の八幡山から連なる丘に、木を植え小川を作り、緑深い森作りを進める、人と自然の共生がテーマ!」、SDGsの時代に相応しい観光スポットです。
 なおお出かけの際は、近くの伝統的建造物群保存地区八幡地区にもお寄り下さい。近江商人の旧宅など質の高い町家がよく保存されていて、八幡堀周辺の石垣や土蔵群が織りなす景観と併せ素敵な町並になっています。(画像は伝建協HPより)