黒柴りゅうの散歩道

日本各地の旅の記録(伝建地区と一宮そして100名城)

127 長崎平戸沖の離島へ

1 在来道も使って九州へ
 今年の夏は、離島の伝建地区を終わらせるということで、永年の懸案だった佐渡の宿根木を訪れましたが、実は7月の上旬に長崎県の平戸の沖に浮かぶ伝建地区・的山大島(「あづちおおしま」と読みます)神浦地区にも訪れていました。なぜ今までブログにしていなかったかと言うと、酷い目に遭ったからでした。

長崎県平戸を代表する景色「平戸大橋」と日本100名城の「平戸城」(曇天が残念)

 7月9日関西を出発し平戸を目指したのですが、途中現存12天守最後の訪問地「備中松山城」に寄っておこうと考えたのが、失敗の始まりです。九州北部の豪雨の影響で、午後には山陽道が一部通行止め。国道2号に迂回となったのですが案の定大渋滞、延々とノロノロ運転となりました。2時間ほどで漸くクリアでき、九州道に上がれた時は既に辺りは真っ暗、車中泊を予定していた松浦市の道の駅に着いた時はほぼ深夜、本当に大変な状況でした。

現存12天守の最後の訪問地備中松山城、全制覇を伝えると係の方に拍手を頂きました!

2 豪雨の道の駅
 ところがこれで終わりではありません。そこから明け方未明に掛けて、九州北部で線状降水帯が発生、半端じゃない雨が空から落ちて来て、駐車場で遭難するのかと覚悟したほどでした。もちろん車の天井を豪雨が激しく叩くので、うるさくて眠れません。が結局、長距離運転の疲れもあり(700km)、漸く3時頃には眠れました。

車は平戸港に置いていくことに。的山大島出身の女性のアドバイスに感謝でした!

 翌朝、何とか雨は上がっていました。暴風でない限りフェリーは出ると聞いていたので、平戸港に向かうと、待合室にはたくさんの乗客が見えたので一安心でした。的山大島は大島という名前だけあって結構大きな島で、港から伝建地区の神浦地区までは少し距離があり、移動が悩みでした。車と一緒に渡るべきか随分迷ったのですが(往復運賃:人1320円・車7430円)、港で出会った大島出身者の方に、「車はもったいない、乗り合いの島内タクシー(公共)があって100円ですよ!」と言われ、車は置いていくことが出来ました(笑)

3 長崎県平戸市大島村神浦
 乗船時間40分で島に着き、建物を出た所でワゴン車が待っていました。「観光客も乗れますか?」と尋ねると、運転手さんが「どうぞどうぞ」とのことだったので、安心して乗り込みました(多分同年配のシニア)。乗客はもう一人の方と私の二人、その方は小学校前で降りられたので(先生かな?)、結局神浦の伝建地区に着いた時は私一人でした。運転手さんは「ここで待ってくれてたら、帰りのフェリーに間に合うように港まで運ぶよ!」と待合所を教えてくださり、安心して約一時間の町並み探訪に出かけました。

町並みの奥に見える浄土宗西福寺、伽藍の大きさに往時のこの島の繁栄が偲ばれる。

 神浦は、江戸時代の捕鯨をきっかけに、水産加工業や船問屋などの商工業で発展した「離島の港町」です。湾沿いの通りに古くからの町家が連続し、高台の寺や神社・山や海と一帯をなし、歴史的な町並みを形成していました。