1 山村集落の伝建地区椎葉村
伝建地区の中で、山村集落は厳しいアクセスの場所が多く、これまでどうしても後回しになっていました。商家町や宿場町などは、昔からの交通の要衝に発展しているので、どこかへ出かけるついでとか、いくつもの地区をかけ持ちで回るとか、気軽に訪れることが可能ですが、山村はそこを目的に旅するという気合いが必要です。
十根川集落はまさにそんな場所にある伝建地区で、九州山地ほぼ中央の山深い椎葉村内にあり、地図を眺めるだけでも難所だと予想出来ました。到着して周囲を見渡すと、山林に囲まれた急斜面に石垣を使って平地を作り、独特の歴史的景観を作っています。
2 国内最大級の杉の巨樹
村の中に、近隣八カ村の氏神として崇敬されてきた十根川神社があります。西側には八村杉という戦前に指定された天然記念物がそびえていました。樹齢800年・樹高54㍍・根回り19㍍もの巨木で、九州で一番高いスギ(全国二位)だと言われています。
3 難所を移動し港町の伝建地区美々津へ
椎葉村から次の伝建地区美々津(日向市)へのコースは、途中台風で国道が大きく崩落していて、険しい山道を迂回しました。家内が何度も「ええっ!ここ行くの?」と声を上げる林道で、谷底に落ちない様気をつけての運転です。結果到着が大幅に遅れ、美々津では暗くなる街を走って写真を撮ることになりました。ここは日向灘に面する港町ですが、神武天皇東征の出発点という伝説が残っています。江戸時代には瀬戸内や近畿地方への玄関口として、美々津千軒と言われるほどの繁栄したそうです。
【上】石畳の中町通 【下】日向市歴史民俗資料館、美々津軒(旧矢野家)
4 夜の参詣日向国一宮
都農神社に着いた時には辺りは真っ暗で、とてもご朱印の貰える時間帯ではなくなっていました。その夜は宮崎市内のホテル泊なので、翌朝再訪するには往復100kmの移動となり、次の鹿児島での行動が制約を受けることになります。困ったなあ!と弱っていたその時に思い出したのが、かつての職場で仲良くしていた都城市出身の後輩でした。実家に帰る際は家族を連れて車で帰っていたので、その際ご朱印(書き置き)をお願いすれば良いことに気づき、境内を後にしました(後日連絡し快諾!)。
何にしても暗くなってから神社にお参りしたのは生まれて初めてで、思い出に残る日向国一宮でした。 (画像は暗くて撮れなかったので、公式Instagramより)