黒柴りゅうの散歩道

日本各地の旅の記録(伝建地区と一宮そして100名城)

100 北関東の伝建地区

 二人での関東ツアー、一日目の最終訪問先を群馬県中之条町の六合赤岩にしていました。もう長野県が近い場所ですが、私のこれまでの感覚では、十分回れるだろうと予定していたのですが、やはり東京は交通事情が違っていました。
https://goo.gl/maps/LVSZXeCRxQScjE3g6

1 首都圏の道路事情
 朝早く東京を出るので、お昼頃には貫前神社に参拝できるかなと考えていたのですが、これはとんでもなく見通しが甘かったことが判明。先輩からも土曜日の高速はすごく混むよ!と言われていた通り、川越の町でようやくお昼という状況でした。
 この後も在来道を抜けたり、町中の道を迂回したりして高速の渋滞を回避し、ようやく順調に走り始めました。週末が故、それも三連休の初日、各地へ向かう車が多いのは当たり前と言えば当たり前でしたが、私の想定を超えていました。そんな訳で富岡市貫前神社に着いたのは、夕方に近い時間帯という状況でした。

2 上野国一宮貫前(ぬきさき)神社
 ここは全国的に珍しい構造の神社で、参道を下った低い境内に社殿があり、不思議な光景です。徳川家光や綱吉による再建や修理を経て今日に至る上野(こうずけ)国の一宮で、本殿・拝殿・楼門のすべてが国の重要文化財なので、なかなか凄い神社でした。
 丁度連休でイベントが計画されていて、本殿前では音楽グループが夕方からのコンサートに備えて準備中で、一宮とは言うものの地域に開かれた親しみやすい雰囲気でした。楼門前の参道でもマツダ車のオフ会が開催されていて、愛車がCX-5の私はワクワクしながら傍を通りしました。
 結局、夕暮れが迫るころ箕輪城に辿り着いたので、登城後は予約していた渋川のルートインに向かい、中之条町の六合赤岩は翌日に回しました。

3 伝建地区「六合赤岩」
 翌日は台風の影響か小雨です。途中の山中から、道路が良く整備され道の駅や温泉施設など立派な建物が増え、二人で「何だろうね!」と言いながら走っていると八ッ場ダムでした。やはり総事業費がダム史上最高額で5千億円を越える計画だっただけあって、凄い整備状況でした。(画像出典:ウィキメディア・コモンズ)

 しばらく走ると中之条町六合赤岩です。川の対岸から集落の全景が見える「展望駐車場」があったので写真を撮り、その後国道から橋を渡って村に入ると「赤岩ふれあいの家」の水車が出迎えてくれました。「展望駐車場」と言い「ふれあいの家」と言い、とにかくビジターフレンドリーな町です。

 伝建地区の山村集落はそんなに多くありませんが、ここは養蚕家屋の伝統を受け継ぐ建物がよく残り、特に正面の端を外壁より前に出した「デバリ(出梁)」がよく見られました。村を一巡して「ふれあいの家」でこの地の話を聞き、地域を守る人々の苦労もよく分かり、遠路訪れた甲斐のある伝建地区でしたが、惜しむらくはあいにくの雨だったこと。晴れていれば美しい日本の原風景を、更に味わえたことだったでしょう!

 上段左が湯本家住宅。木曾義仲の末裔で、逃亡の際に隠れ住んだといわれる「長英の間」を残している。