黒柴りゅうの散歩道

日本各地の旅の記録(伝建地区と一宮そして100名城)

09 東北地方への旅⑤(山形)

1 土蔵の町喜多方
 東北ツアー4日目(4/21)、昨夜は道の駅喜多の郷で車中泊。目覚めると駐車場はいっぱいで、洗面に行くと同年配のシニア男性にたくさん出会いました。何だか心強くなると共に、リタイア後の男性の生き方について、いろいろ考えます。
 朝から重伝建地区の喜多方市小田付を見学、会津地方の中心として栄えてきた町で、近世に発展した地割がよく残り、そこに土蔵が並ぶ素敵な町並みでした。

桜満開の道の駅・喜多の郷  蔵の町・喜多方通りの両側に蔵が並び往時を偲ばせる

2 上杉氏の米沢へ
 喜多方を後に北に進路を取り、県境を越えて米沢市へ、生まれて初めて山形県に足を踏み入れました。米沢と言えば上杉氏、上杉景勝は謙信の養子で、豊臣五大老の一人でしたが、関ヶ原の戦いで西軍に与して徳川家康と対立し、会津百二十万石から米沢三十万石へと減封されやって来ました。
 上杉神社の境内がほぼ米沢城本丸に当たるようでしたが、会津若松城に比べるとこじんまりしていて、歴史に翻弄された上杉家の悲哀が感じ取れます。上杉鷹山公像の前では、この藩の歩んだ歴史に一層思いを馳せました。

本丸にある上杉神社  米沢藩中興の祖・上杉鷹山  国宝洛中洛外図屏風公開中

3 山形市に入る

 東北中央自動車道を経由して1時間足らずで、山形市に入ります。国の史跡霞城公園(山形城)は整備の最中でしたが、一文字門や二ノ丸東門など立派な遺構が残り、堀跡や土塁も含めスケールの大きい平城で、山形の基礎を築いた最上義光公の銅像と共に、印象に残りました。

(上)山形城本丸一文字門・二ノ丸東大手門 (下)町の基礎を築いた最上義光
4 神の山月山

 山形自動車道酒田市に向かって走っていると、前方に巨大な山塊が見え、近づくにつれその威容に圧倒されました。出羽三山として古くから山岳信仰の山として知られた月山です。その圧倒的な神々しさに思わず合掌したくなる程でした。平野が広い東北地方では、山のスケールが大きく冠雪して迫力があり、関西に住む人間には驚きでした。

山形自動車道から望む出羽三山の最高峰・月山(1984mの火山)

5 酒田市山居倉庫を訪ねる

 ブラタモリでこの町が取り上げられて以来、いつか来てみたい町でした。ただ米沢と山形で時間を取り過ぎ、しかも翌日の行動を考え由利本荘市秋田県)にホテルを予約していたため、この日の午後はバタバタになってしまいました。結局山寺には立ち寄れず酒田も本間美術館や旧本邸は外から眺めただけで、何とか山居倉庫だけは訪れることが出来ました。

1893年頃に建てられた歴史ある米穀倉庫。12棟の倉庫、資料館からなる。

6 出羽一宮と象潟

 この後、出羽一宮大物忌神社のご朱印記帳時間に滑り込むため、更に道中を急くことになり、重伝建・一宮・100名城という目的地をこなすことが足かせになったような一日でした。ただ象潟では展望台に上って、九十九島の様子を眺めながら芭蕉の足跡を感じ、福島から秋田までの長い一日を終えました。

出羽国一宮・大物忌(おおものいみ)神社 芭蕉奥の細道)ゆかりの象潟と鳥海山