黒柴りゅうの散歩道

日本各地の旅の記録(伝建地区と一宮そして100名城)

26 安芸高田から津和野へ

1 毛利元就吉田郡山城
 今回の旅の目的は萩・津和野がメインですが、GoogleMapでルート図を作っていると、中国道沿線に毛利氏の居城「吉田郡山城」を見つけました。戦国の雄そして明治維新の立役者毛利氏、もちろん日本100名城にも選ばれています。山城ファンの私にとって絶対パスできない場所でした。
 安芸高田の町は中国全域に覇を唱えた毛利氏の拠点としては、意外な程小ぶりで驚きましたが、そのギャップが逆に魅力に感じる町でもありました。

 目的地の歴史民俗博物館に到着しました。いつも悩むことで、資料館に入ると城の歴史や武将の事蹟など詳しく分かるのですが、その後の時間に余裕がなくなってしまいます。内容を取るか時間を取るか、結局いつものとおり山城の魅力には勝てませんでした。ちょっと立ち寄るつもりが、博物館や本丸登城を中心に2時間半を費やしてしまいます(これが津和野での動きを制約!)。

郡山城の向かい尼子軍が陣所を築いた青光井山  元就が子らに残した「三矢の訓(みつやのおしえ)」の碑

2 戦国を代表する巨大山城
 郡山城は巨大な山城です。駐車場から西の尾根筋を通って本丸を目指し、到着後主郭付近をじっくり探索しました。その後に尾崎丸堀切を経由して、尼子軍の陣所となった青光井山を見ながら下りて来ます。山城ファンには超魅力のコースですが、100名城のスタンプ収集が目的の方は躊躇されるかも知れません。比高わずか200mの山城なので、ぜひ本丸に登って戦国大名の居城を味わってほしいと感じる名城でした。

  (左)郡山城の本丸の様子   (中)二ノ丸三ノ丸を見下ろす   (右)尾崎丸の堀切

3 スターズオンアースがオークス馬に
 安芸高田市から中国道そして吉賀町を経て津和野に向かいます。途中「道の駅 かきのきむら」で休憩、楽しみにしていた優駿牝馬オークス)の結果を動画で見ました。電波状況が良かったのでJRAのサイトにアクセスし、ドキドキしながらの観戦です。何と「No.23 閑話休題」で触れていた私の本命「スターズオンアース」が、ゴール前最速の脚を使って優勝でした。「ヨシッ!」思わず声が上がります。馬券は単複一点のみですが、元手が9倍程になり道中の予算がぐっと楽になりました(笑)

 JRAホームページより

4 日本五大稲荷-太皷谷稲成神社
 これは毛利氏からのプレゼントか、それともこれから行く津和野に何か待っているのか、とあれこれ想像しつつ山を越えると、前方に巨大な鳥居が現れました。さらに山道を下ると、向かいの山に巨大な神社と無数の幟、大鳥居はその太皷谷稲荷神社でした。
 町の中の案内に沿って向かうと、山の中腹ですが車で参拝できます。高台だけに津和野の町が遠望でき夢中でシャッターを押していると、遠くに朱色の一両編成の列車が見え、時刻表を見ると一日6本の普通車両にたまたま出くわしました。鉄道写真家注目の場所らしく、他府県ナンバーの一眼レフを構える男性もいました。
 社殿も非常に立派なので興味を持って案内板に目をやると、太皷谷稲成神社は日本五大稲荷だそうです。関西人ですので伏見稲荷はもちろん参拝していますし、佐賀の祐徳稲荷はタイ映画で知っていましたが、ここのお稲荷さんは全く知りませんでした。日本各地を回る中で、改めて神社の存在感の大きさに気付かされます。

(左)遠くから丘の上の威容に驚き車で到着 (中)津和野を走る列車JR山口線 (右)太皷谷稲荷神社

5 夕暮れの津和野の街
 ここで郡山城で時間を費やしすぎた影響が一気に出て来ます。まず津和野城に上がるリフトが既に営業終了、歩いて上ろうとしましたが地元の方に今からは止めた方が良いと止められました。津和野で車中泊の予定だったので明日再挑戦とも考えましたが、9時開業なので萩での行動に余裕がなくなってしまいます。森鷗外記念館なども休館日なので、津和野に残るメリットが少なく、伝建地区だけ訪れて萩市に移動することに決定、津和野城はまたの機会に預けました(あるかどうか分からないが・・・・)。
 伝建地区も夕方が近付き人影はまばら、駐車場もどこも閉まっており、車で移動しながら道端に止めて町並みを撮影しました。出発前は「郡山城<津和野」でしたが完全に逆目になり、後悔の夜を迎えます。もちろん郡山城は十分に見応えがあったので、山城ファンとしてはすぐに立ち直って、萩の「道の駅 萩往還」を目指しました。関西より日暮れが遅く感じたのは、やはりそれだけ西に来たからかなと思いつつ・・・・!

(上左)津和野の本町通り (上中)津和野の殿町通り (上右)西周森鷗外を輩出した藩校「養老館」
(下左)財間家住宅 (下中)津和野カトリック教会 (下右)鷺舞、八坂信仰で奉納される伝統舞踊